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利き手はどっちだ!! 2
そして、僕はその後、なんと!パトカーに乗せられてしまった!
僕を乗せたパトカーは走り出した。途中から、パリの街をサイレンを鳴らしてものすごい勢いで飛ばしだした。
まるで《リュックベッソン》の《タクシー》だ。
タクシー・・・ じゃあなく、 パトカーは、ある建物の中に入っていった。
どうやら警察署のようだ。
階段を上っていくと、白人の制服を着た警官とか、黒人の私服の刑事らしい人たちが、なにやら慌しくしていた。
「おおーー!これぞ《フレンチコネクション》の世界!」 自分の今の状況もわきまえず、なんか興奮していた。誰かの怒鳴り声がしている。
きっと《ジーンハックマン》だ! と思った。
そして、僕はある部屋に案内された。
そこには、制服のデカイ婦人警官がいた。どうやら尋問らしい、その婦人警官、物凄い強い口調だ。 ド迫力!。
《アニマル浜口》と並んで『気合だ-!!』とやらせたいと今思った。 僕は、すっかり萎縮してしまったが、頭に入っている、ありったけのフランス語を絞り出して答えた。
しかし・・凄い気合いの女だった。(この女は《シガニーウィ-バー》と共に、《エイリアン》を退治するのが一番似合っている) と思った。
彼女の持っているボールペンが、「出て行け」 と言った。
次に待っていたのは、本当の身体検査だった。シャツもズボンも脱がされて、ポケットの縫い目まで調べている・・・(マッタク・・)
裸にされてしまった僕は、《ランボー》の《シルベスタ・スタローン》ように、放水機で、体を洗われてしまうのではないか、という恐怖が頭を過ぎった。
次はいったいなんなんだよ!・・・・
「いい加減にしろよ! このヤロー! 日本人はなー、フランス経済のなー・・・・」 と今度こそ言ってやろうと思っていたら、
「じゃあここで待っててくれ」 とその警官は、言い残して僕をある部屋に入れた。
その部屋には、7〜8人くらいの男たちがいた。
どう見ても、何かやらかしたような感じの男たち・・・
《レザボアドッグス》の《ホワイト》とか、《グリーンマイル》の《あの大男》みたいな奴がいるのだ。
僕がその部屋に入ったとたんに、一斉にその男たちが僕を見た。
その間、5秒くらい、 瞬間的に、(やばい!! まさか、《あしたのジョー》の《パラシュート部隊》とか《ネジリン棒》なんか喰わされないだろうか・・)
するとすぐに、さっき警官がやってきて、「もう、君はいい、帰っていいよ」
あまり怪しまれなかったのだろうか? まあ、当然と言えば、当然だ。
出口までその警官に連れて行かれて見送られた。
『もうこんな所に二度と来るんじゃないぞ』 とは言ってなかったが・・・
警察署を出ると、あたりはもう真っ暗だった。 ホッとしたのか、急にドッと疲れが土石流のごとくおしよせてきた。 そして、ウナダレタ僕は一人で近くのカフェに入り、今日一日を思い返した。 しかし・・・
ナサケナイ 一日だった。 身分証明書さえ持っていれば・・・こんな事には・・・ならなかったのに・・・
自分自身の生活に“スキ”があるのだ・・・
実にナサケナイ・・・こんな時になっても、 映画やテレビのワンシーンと、ダブらせたりしている自分が・・・・
まさにナサケナイ・・・ しかも僕は最後に 「さようなら、ありがとう」 と言ってしまった。 何で俺がお礼なんか言わなきゃなんないんだ!
まことにナサケイ・・・
そして、僕は、強く心に誓った。
自分をもっと高めるのだ!、
人として、 そして、人間としてのレベルを・・・。
そしてそのカフェで、心を改める機会にと、僕は、一杯のビールを注文した。
そのビールを、両手で挟んでジッと見る・・・。
そして、これまでの自分を振り切る様にイッキにそれを飲み干したのだった。
しかし、その飲み方は、《幸せの黄色いハンカチ》の《高倉健》を意識していた。
続き>>・・
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